久しぶりにジロウとデート


近々友人の結婚式があるのだけど
それ用にあげるって某ブランドのクラッチを持ってきてくれた


ブランドものなんて、別に気にしたことないと言ってたジロウは
ある日突然、いわゆるブランド好きになった


そんなつもりはなかったんだけど
雑誌を見ながらアレが可愛い、コレがすごいって言ってるうちに
気付いたらジロウがブランド好きに変身

今じゃ全身どこかしらのブランドと言う嫌味なおっさんに(苦笑)


普通はイベントか記念日に一つ貰えるか貰えないかなんだろうけど
ジロウの場合は、脈絡無くプレゼントで持ってくるし
一緒にいる時もよっぽど高額な価格でなければ買ってくれた


お陰でジロウと過ごした7年の間に
あたしのブランドコレクションは一気に増殖

それ以外にも海外・国内旅行、毎日の食事に化粧品、家具・家電…

到底自分の経済力じゃ手の出せないものばかり、増えた



欲しいものを何でも与えられたあたしは
これは一番欲しいものをくれない彼の罪滅ぼしなんだと思った

出会いから3年経ち、あたしの部屋の鍵を持ち始めた彼は
気持ちを物に変えることで、許されたかったのかもしれない

高額なプレゼント攻撃には、最初こそとまどったけど
そう思いついてからはどんなものでも笑顔で受け取る事にした


そしてそれは、彼の手を離れた今も続いている


ジロウに対して恨みつらみは無い

最初の頃は悲劇のヒロインよろしく
閉まるドアを見て泣いたりしたけど

自分から片足突っ込んだんだから、ヒロインもくそもない


あの頃、帰る家があることを知ってて、会うのをやめなかったあたしは

もう「何もない」ところへは、戻れない自覚があった


それはお互い様だったのだろうけど

全勢力を傾けて、振り向かせたかった

自分のものにしたかった




よく言われるように不倫で20代の青春ムダにしたとは思ってない



今も、ずっとね


お陰で、他の誰とも共有なんて出来ない思い出が
嫌になるほどできたから


ジロウは、彼で、父で、兄で、親友



彼を見下ろしながら

積み上げた時間の恐ろしさに

鳥肌が立った





秘密ひとこと

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